Snow design office

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© Snow design office

house F

ふと、

Works では写真のみでテキスト情報が無い為、見てくれている方々にもう少し分かりやすく伝えていかねばと思い立ちました。

設計の導き方や考えたこと、施主さんの気持ちや要望、設計から引き渡しまでの思い出や、その後の暮らしぶりなど様々な事をブログの枠でちょっとずつ綴っていこうかと思います。

 

F04

という事でまずは house F から。

この住宅は、2013年に竣工した独立前に設計をした私の親族の住まいです。

場所は島田市内で、臙脂色の外壁と、道路側の庭の印象が強いため、事務所へ相談に来られる島田界隈に住んでいる方には知られている様です。

ここは長屋が点在する地域で、この住宅もまた6m以下の間口で、奥に40m以上と南北に長細い敷地です。

南側前面道路は交通量も多く、住まい手の駐車台数も多く必要だったので、道路から駐車場・庭・住宅・北庭という配置を考えました。

多くの要望は無かったですが、最初に出た要望は、軒樋の無い住宅が良いと、既存の住宅の樋が詰まって仕方がないと樋に対してあまり良い印象が無かった事の話を伺いました。

あとは、ドカッと座れる大きなソファーと、限りは有るでしょうけど広い居間で、庭を眺めながらゆっくりと過ごせる夫婦の終の棲家にしてほしいと。

そして行く行くは寝たきりになるかもしれないので、その時にも寝室から緑を眺めたいと話されていました。

設計当初は、前面にオートバイや自転車・倉庫を兼ねた小屋を設け前面道路からの目線を遮る計画にしていましたが、コストの面と、オートバイに本当に乗るのか?など(当時はオートバイは所有していない)話し合い、塀や小屋などで目隠しをすることを見直すことになりました。

目隠しは完全に隔てるのではなく、アプローチを兼ねた奥行きのある庭で、柔らかく遮る様にしようと提案しました。

部屋の計画としては南の庭に面して長く寛ぐ居間・食卓・台所を設け、玄関を南庭側へ迫り出す様に配置しています。

この事により居間の南面の窓から隣地の視線を遮る役割となっています。

F06

コンパクトな玄関。格子の片引き戸と石の土間、ポーチの軒先は手が届くほどに低く構えています。

玄関の戸が木製建具なので出来るだけ軒を出して風雨にさらされない様にしています。

幅が狭い空間なので、腰の高さほどの下足入れにして圧迫感の無い様にし、下足入れの上は飾り棚として写真やお花を飾ってささやかなゆとりの場としています。

足腰が弱くなったら、手をついて歩行のサポートにもなります。

F02

唯一の南面の窓は全開できるサッシを採用し、それに加え引き込みの障子戸を設けています。

写真の左手奥が玄関で、ボックス状の造り付けの収納家具を壁に見立ててそこにテレビを配置しています。

玄関からダイレクトに居間に入ってくるのではなく、収納家具の間を抜けて歩かせることによって距離による長さと、すぐに居間に到達しないことで心理的奥行きを与えています。

居間にとっては、寛ぐ場所のテレビとソファの間を導線が無い為溜まりの空間を生んでいます。

居間の天井は垂木をあらわしにした高い勾配天井で、大きく包まれた空間としています。

南面の窓がソファー側に寄せられているので、明暗が生まれ陰影のある落ち着いた場所となっています。

F01

ソファーに向かっての眺め。

左手(南)に庭につながる窓と右手には食卓と台所。その上に個室を設けています。

申請上2階建てとなっていますが、2階の個室の低い箇所では大人が中腰になるくらいの高さ。

これは居間の天井を高くなりすぎない様にする為の高さ設定としています。

軒は1800㎜程度と深く出しており、陽の光が床や濡縁(石のテラス)にバウンドして柔らかい光が居間に広がって気持ちが良いです。

2階の居間側に小窓を設けて、居間の天井付近の熱だまりを、2階の個室から排熱し空気が流れる様にして、長く寛ぐ居間・食卓の環境を視覚以外に風の抜けや熱環境も配慮して心地よい場を設計しています。

 

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長くなりましたので、何回かに分けて綴ってまいります。

その他の住宅もランダムに織り交ぜながら気が向いた時にちょっとづつ書いていきたいと思います。